薬指の標本
136件の記録
- スプーン@spoooooooon2026年2月24日読み終わった『六角形の小部屋』 ちょうど心が沈んでいる時に読んだから、たった一人狭い個室でただ語り続ける小部屋の存在が救いのように見えたな。 「長い間わたしは自分のことを、それほど悪い人間じゃない、むしろ比較的いい人間だと思い込んでいました。滑稽でしょ? 警察に捕まったこともないし、停学にも退学にもならなかったし、友だちは多くはないけど数人はいるし、無断欠勤は一日もなく、残業を命じられても文句を言ったことはない。休日には入院中の子供たちにボランティアで絵本を読んであげているし、隣りの部屋の女子大生が足の骨を折った時は食事の世話をしたし、街頭募金箱には必ず百円入れる。…… でもそんなこと、何の証明にもならないんです。人間の心なんて、どこまでも行き止まりがありません。わたしは入り口の近くで、無邪気にうろうろしていただけです。」(pp.165-6) 自分の心の醜さを受け入れられないわたしが、己の『良さ』を回顧する場面。きっとこのわたしは外から見ると卒がなく生きているように見えるのだろうけれど、内側ではどろどろした深い泥沼が広がっている。それを責めながら生き続ける。でもそれで良いんだって思う。私も自分の心が、世界とかけ離れた孤独の中にあるような気がして辛いけれど、皆何となくこういう乖離を持って生きているのかな。だから心のあり方が世界から離れた有様だとしても、何にも責められることはないのだろうか。罪悪感を抱く必要はないのかな。皆こうやって心の奥底に澱みやぬかるみを持っているのかな。それでいい、それでいこう。


よみさき@yo_misaki2026年2月22日読み終わった小川洋子さんの『ブラフマンの埋葬』も大好きだったから、このような雰囲気の作品が好きなのだろうなと思うなど。 今日はなんだか家でじっとしていられず、朝からロイヤルホストでモーニングを食べ、そのまま電車で高尾山口まで行き、10分散歩して帰ってきた。通り魔的な春の陽気にあてられたのかもしれない。
shiori@shiori_4172026年2月20日読み終わった表題作、静謐さや標本室の描写などは好きな雰囲気だった。 標本室の経営者であり標本技術者である弟子丸氏は、ゆくゆく自分が靴を履かせてある意味支配したい女の子を面接で選んでいたわけで、その点に怖いというか生理的な嫌悪すら感じてしまったのだけど(これはファンタジーファンタジー…と自分に言い聞かせた)、主人公は自らの選択で靴と一体化し、薬指を標本にしてもらうことで弟子丸氏のそばにいることを選ぶ。 彼の気が変わらず、これからも彼女を愛し続けてくれるのかは分からないのが切ないけれど、理屈を超えて自分を犠牲にしても他者の気持ちを求めてしまう心情は、良し悪しは置いておいても分かる気がした。

m@kyri2026年2月6日読み終わった@ カフェ表題作よりも「六角形の小部屋」の方がおもしろかったような気がする わたしも昔の恋人のこと、とくになにがあったわけでもなくある日いきなり嫌いになってそのままむりになってしまったことを思い出した



S@YunhO3232026年1月31日読み終わった久々に洋子さんのお話を読んだが小川洋子ワールドが濃かった。 重くて怖く感じるのに先生が紡ぐことばはとても綺麗。 解説にもあったように、密やかな結晶のように人間が消滅していく姿が描かれていて不気味だったがどこか惹かれた。 また、千早茜さんの透明な夜の香りぽさもあった。 ✍️ 『わたしも、あなたにゆだねられる標本の一つになれるかしら』 とてもとてもパワーワードでゾクッとした。




あむ@Petrichor2026年1月12日読み終わった作中ですべてを語りすぎないからこそ、自分も物語の中で心を奪われ酔っていくようだった。考察が捗りそう。 以下ネタバレ含みます -------------------------------- 活字のシーンの狂気が忘れられない。 絶対的な「支配」と「洗脳」、「陶酔」の様を一切の言葉を交わすことなく、暴力や血を流すことなく表現する手腕に鳥肌が立つ。 ありふれた1人の少女が、自分にぴったりと合った靴、そして愛と嫉妬で容易く自ら自由を手放す。 助言やヒントは耳に入らず、その場所に留まることこそが史上の幸せと思うその盲目さは、自分にも思い当たる節があり少し胸がピリリと痛んだ。

- ゆうさく@pia_392026年1月10日読み終わった"タブーを肯定する"ことを、荒々しいエピソードやインパクトありきの描写を使わずに、ここまで美しく、静謐に描けるのはすごい!爽やかな感じがする。実際には、ドラマチックな出来事なんてそうそう起こらないものね







きよこ@himawari-kiyo2026年1月8日読み終わった博士の愛した数学以来の小川さん。温もりではなく、どこか夜の影が強いのに、透明な空気、消えそうな儚さのある雰囲気に驚いた。自分の寿命、人との出会い、今の自分のままでいられる保証なんてなく、これから起こる少し先の未来を人は知らないまま生きている。自分の感情に向き合うのには体力がいる。どうしても離れられない気持ちに情況にからめとられ標本になることを決める彼女。一方で存在した記憶をとどめておくために、かき氷の器を持ち帰る彼女。忘れられたくない、忘れたくない想いの形はそれぞれで、静かな美しさが残る本だった。



- べべこ@bebeko2026年1月4日読み終わった怖く、神秘的でふと体温が下がるような気味悪さを感じることもあるが、この場所や人はどこかにあるのかもしれないと思うのは、現実的な描写と非現実的な描写の共存が自然だからだろうか。 清潔で冷たくグレーか白のイメージ。
人工芝@_k55y2025年12月26日読み終わった美しくもあり、同時にどこか不気味さを孕んだ作品。 官能的でありながら色っぽさも漂い、まるで奇妙な物語を覗き込んでいるかのようだ。 うっすらと希死念慮の影が差し込み、 自己肯定感の低さが、なぜここまで人を厄介な場所へ連れていくのかを突きつけられる。 終始、その独特な世界観に引き込まれた。


湘南サナトリウム@nanochka2025年12月18日読み終わった小川洋子作品で初めて買ったものであり、初めて読了したもの。 静謐で冷たくて少し恐ろしい気もする物語であるが、ホラーという感想は似合わない気がする。小川洋子の小説とだけあって描写のどこを切り取っても美しい。フランス映画みたいと感じたが、実際かの国で映画化されているようだ。 この作品自体を閉じ込めて標本にして大切にしまっておきたい。 この本を最初に読んで良かった。やはり、電子よりも紙の本で味わって読みたい。 次は『密やかな結晶』でも読んでみようかな。





しおり@Kaffee58882025年12月16日読み終わった題名通りの感想で申し訳ないのですが、なんだか「標本」のような閉鎖的ではあるが窮屈ではない、不思議な雰囲気の一冊でした。 恋の話というには少しだけ歪なような、誰にも触れられない二人だけの表しようのない関係性があってそれが秘密ごとのようで覗かせてもらってることが悪いことのように感じられました。 標本、というと理科室の後ろに飾られていた生き物などを思い浮かべる。ここの標本室は音や思い出なども標本にすることができる。封じ込めて、腐らないように、出てこられないようにするのだ。忘れたくない記憶をそこに置いていくように。私なら、何をお願いするだろう。封じ込めて、出てこないように。逆に言えば、忘れたくないような思い出もそこに残しておくこともできるということだ。 不思議な雰囲気であり、センシティブな雰囲気もある素敵な作品でした。冬にぴったしな気がします。









Maddy@sonate_no82025年11月18日読み終わった博士の愛した数式に引き続き、小川洋子の秋 薬指の標本、六角形の小部屋 の2編 自分の薬指が桜貝のようにかけて、サイダーをピンクに染めていきながら沈んでゆくなんて、なんて痛くてグロテスクで、そして美しい表現かと思った。
ゆげの@hoochaa2025年10月27日買った読み終わった小川洋子は「博士の愛した数式」から入ったけど、最近「猫を抱いて象と泳ぐ」や「ことり」を読んで、少し雰囲気が違うなと思っていた。そして本書も後者側の雰囲気だったので、こちらが本流なのだろう。 小川洋子から村上春樹に似たものを感じることがあって、なんだろかと思っていたんだけど、執着の描かれ方かもしれない。それは、他人の身体の一部であったり動物であったりあるいは声や音や、空間であったりして、それを主人公が知覚しているときや想像の中で転がしているときの描写の文量の多さやねばっこさから感じる、ある種の妖しさや艶かしさ、不気味さ




木本仮名太@kanat2025年8月11日かつて読んだ高校時代学校の図書室で「博士の愛した数式」を読んで心暖まったのち、同じ作者さんだからと手にとってそのギャップに驚かされた作品。 それから小川さんの著作はいくつか読んだがどちらかというとこちらが本流なのだなと感じた。 大人になったら映画も見てみようと思いながら20年経ってしまった。


才桃きいろ@kiirosaito2025年7月17日読み終わった『薬指の標本』小川洋子(新潮文庫) 事故で薬指の先を失ってしまった「わたし」は標本室で働くことになる。ついその先を知りたくなるようなダークで官能的で不思議な世界観。ときに切なさやどうしようもなさに胸がきゅっとなる。私だったら何を標本にするだろう。


white bird@shiawasenina__re2025年6月29日読み終わった自分の身体の一部が消失していく感覚、経験したことがあるだろうか。 心の喪失はある、自分が成長したような感覚はある。けれど、心も身体の一部だものね。「ない」ということよりも身体が「ある」、命が「ある」という素晴らしさ。そういうものを「なくす」「ない」で表現することによって際立たせているのだろうか。
✟@x_toyanya_x2025年3月29日まだ読んでる一つ一つの描写が目を見張るほど美しく、内田百閒のような繊細かつ優美な印象を受ける。「薬指の標本」は読み終わったが、主体性や自由の中で強く生きることを求められる世の中で、許されないのではないかと不安になるような安泰を求める気持ち、「自由になんてなりたくないんです」という独白、幻想的な展開に胸を打たれた。
ポセイドンが飼ってる犬@big82842025年3月11日読み終わった短編2作 風呂場で抱き合うシーンの地の文の書き方大好きだった めちゃ好き 相互が「昔好きだった人に薦められて、読んだら何か欠けそうだから読めない」と言っていたから読んだ- 夏秋@natsuaki2025年3月7日読み終わったそこに確かにあるのに実態が見えない二つの部屋。どんな場所にありどんな用途でどんな人が利用しているか確かに書かれているのに、その文章のうしろにうっすらと漂う得体の知れない空気が流れていて不思議な読後感であった。

りゅう@ryu08042025年3月6日読み終わった薬指の標本 #読了 静謐で神秘的な物語。 読み手によって様々な解釈ができるのではないか? 一体全体どうしてこのような関係になってしまったのか。 1年を超えたあたりから確実に縛られる関係になっており、むしろ縛ってほしいという願望にも思える。 仕事?怪我の容姿の見目?

猫眠@cat_rose1900年1月1日読み終わった映画から入ったが、原作も良い。 胸の中が荒らされたような終わり方も気に入った。 買ったはずが、どこかに行ってしまったので、買い直してもう一度読みたいと思う1冊。

























































































































