藤間あわい "キッチン" 2025年1月1日

キッチン
キッチン
吉本ばなな
Twitterのタイムラインに流れてきた一節に妙に心を掴まれて、たまたま立ち寄った本屋さんで購入した。 読み始めて驚いたのは、吉本先生の文体が驚くほどに私の体と心に馴染んだことだ。一つ一つの言葉や言葉の組み合わせ方が、美しくて素敵で体じゅうに染み入った。 そして何より惹かれたのは、文章が「死」に近いところにあるところだと思う。死の香りに満ちた、けれども読了後はどこか希望の欠片を感じる、吉本先生の文章の虜だった。 表題作の『キッチン』だけでなく、『ムーンライト・シャドウ』、そして文庫版のあとがきも含めて素晴らしい作品だったから、今迷える人に是非読んでほしいと思う。もしかしたら、今この文章を読んでくださっている貴方の、人生の灯火となるかもしれない。
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