高髙橋 "誓願" 2026年1月9日

誓願
誓願
マーガレット・アトウッド,
鴻巣友季子
ちょっとずつ読み進めていたが、三人の語り手が出会い、交錯するところから一気に読んでしまった。『侍女の物語』が、ディストピアになってしまった国を見る主人公の暗い、閉塞的な目から描かれているとすれば、本作は、ディストピアをある意味で作り上げたリディア小母、ディストピアを当たり前として育ったアグネス、さらにはディストピアを外からディストピアだと認識しているニコールによって、外からの目線で描かれていた。さらに彼女らの変容、特にアグネスの変化こそ、ディストピアの中の希望として描かれているように感じた。とくにトランプ大統領の年始の武力による政治への舵切りにより、アトウッドが描くようなディストピア的な世界は、いまだにあるどころか、再燃しつつあるようである。今一度、読み書きという力が、世界を変えることを願う。
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