
亜希
@aki
2026年1月10日

TVピープル (文春文庫)
村上春樹
読み終わった
穏やかな夜の夢の中のような短編集。大きな展開もなければ感動のクライマックスもない。ただそこには、不思議と心地いい浮遊感がある。
最後の短編『眠り』がいちばん不思議だった。眠らなくなったひとりの女性、自分が自分であることにおいて眠りは不要だと気づくときの心の揺れ動き方が怖い、けれどどうしようもなく泣きたくなった。わたしはわたしだと、自分の中だけでもそう思いたいだけなのに、どうしてここまで苦しまなければいけないのだろう。どうして闇の中で覚醒している恐怖が襲ってくるのだろう。