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亜希
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@aki
  • 2026年4月10日
    デクリネゾン
    デクリネゾン
    ままならない生活を送る主人公。仕事に育児に恋愛に、なんのためにそこまで?と疑問を持ってしまうほどに激しく狂うように生きている。なんのためにそこまで?と途中で思わずに一緒に走り抜けている気がしてしまったのは、この物語が突き進んだコロナ禍を自分自身も経験しているからだと思う。たしかにあの頃はみんなままならない生活を送っていた。あの頃の息苦しさや怒りが保存されている物語。もっと時代が遠くなってからも読みたい。
  • 2026年3月31日
    夜空に浮かぶ欠けた月たち(1)
    「でも、私はこういうふうにしか生きることができなかった。」(p247) 心が疲れてしまった経験はたぶん大人ならみんなある。頑張りすぎることも立ち止まることもある。少しだけ弱ってしまった心に優しく手をあててくれる物語だった。欠けていても月は綺麗で、だからこういうふうにしか生きれなかった自分をそのまま肯定してもいい。
  • 2026年2月23日
    アンデル1
    アンデル1
    素敵すぎて何度も読み上げてしまう回文の詩からはじまる。これから毎月楽しみな文芸誌! 朝比奈秋さんの連載『アンチエイジングクラブ東京』はおもしろいのを確信する初回だった。若い女の血を輸血する美容医療、現実世界にありそうな質感でひりひりする。石田夏穂さんの短編『ノーメイク鑑定士』、社会人歴のある女性には刺さるものがあるし、わかってるふりしている男性もドキッとすると思う。
  • 2026年2月21日
    遠慮深いうたた寝
    みじかいエッセイを読んでいるはずなのに、いつのまにか小説の世界にいるような不思議な読書体験。日常のほんのささいなエピソードや取り巻く社会へのまなざしがやさしく、けれど真摯でまっすぐで。小川洋子さんの書き留める暮らしはすべて小説につながっているように思える。
  • 2026年2月16日
    君の顔では泣けない
    人生がまるごと入れ替わった、と言ってもいいくらいに、体も心も環境も変化する濃い期間を他人の身体で生きていくことになったふたりの話。性別が変わることでの戸惑い、それぞれの性格の対比、選ぶ人生の違いも明確に書かれていて混乱せずに読み進められる。とにかく文章がうまい。そしてタイトルがうまい。『君の顔では泣けない』主人公の葛藤と相手への愛のような尊敬のような、とてつもなく大きな感情が物語に溢れていて、その全部がこのタイトルに詰まっている。
  • 2026年2月7日
    マナーはいらない 小説の書きかた講座
    三浦しをんさん節全開の小説の書き方講座。声に出して笑えるエッセイとしても楽しめる。これまでの三浦しをんさんの作品の執筆時の裏側(構想の膨らませ方)も書かれているのでファン必読の一冊。『天国旅行』に収録された短編『星くずドライブ』を例にした章があって、すごく好きで印象に残っている短編なので嬉しかった。
  • 2026年2月2日
    恋の幽霊
    恋の幽霊
    恋の話をしている。ずっと4人がそれぞれの、でもたしかに4人みんなで共有している恋の話をしている。溶けて混ざり合って境目がなくなっていく、それでも大人になって生活をする4人の話。
  • 2026年1月24日
    黄色い家(下)
    黄色い家(下)
    ヤングケアラーと毒親は一緒にして考えてはいけない問題で、けれどここにはたしかにヤングケアラー的な価値観を刷り込まれてそれが正義だと信じる主人公の花がいた。 生まれ育った環境こそが彼女にとってのあたりまえで、だからその生き方が間違っているだなんてことは誰も言えない。言うべきではない。 犯罪に染まっていってしまう、そうしてバランスを保てず崩れていく精神の脆さは、若さゆえなのか、彼女のもった正義故なのか。 都合のいい耳障りのいい思い出で事実を覆い隠しているのを彼女自身が細かく思い出していく過程、そこからたどり着いたいま、彼女の前にあった夕日。作中では黄色がモチーフで登場してくるのに、ラストシーンが美しくて涙が溢れて、その視界は眩しいほどのオレンジだった。
  • 2026年1月24日
    黄色い家(上)
    黄色い家(上)
  • 2026年1月10日
    TVピープル (文春文庫)
    穏やかな夜の夢の中のような短編集。大きな展開もなければ感動のクライマックスもない。ただそこには、不思議と心地いい浮遊感がある。 最後の短編『眠り』がいちばん不思議だった。眠らなくなったひとりの女性、自分が自分であることにおいて眠りは不要だと気づくときの心の揺れ動き方が怖い、けれどどうしようもなく泣きたくなった。わたしはわたしだと、自分の中だけでもそう思いたいだけなのに、どうしてここまで苦しまなければいけないのだろう。どうして闇の中で覚醒している恐怖が襲ってくるのだろう。
  • 2026年1月7日
    密やかな結晶 新装版
    美しい文章で展開されていく、どうしようもなく閉塞していく世界に胸がぎゅっと締めつけられる。大切だったはずのなにかが消滅していくこと、そのひとつひとつの思い出まですべて忘れてしまうこと、そうしてできた空洞のこと。新しいもので溢れかえるいまの時代に生きているのに、どうしてかその空洞が想像できる。流れつづける情報を浴びれば浴びるほど、自分が空っぽになっていくような感覚になるときの空洞と似ている気がする。大切なものがあったことすら忘れていくこの物語と、情報が溢れかえって大切なものを見失う、もしくは見つけることすらできない、いまの時代のこの感覚が似ている気がした。
  • 2025年12月16日
    マリエ
    マリエ
    離婚からはじまる物語。離婚は別れ。これまで夫婦として生きてきた人との別れ。別れの理由がなんだとしても、離婚届を出したら別の道を歩くことになる。 主人公のまりえさんは、ひとり暮らしをはじめてすぐにお気に入りの店で「マリエ」という香水と出会う。新たな香りを纏って自分の人生を生きるまりえさんは強く美しい。そして出会った年下の男性に心を乱されながら、婚活で不条理な品定めにうんざりしながら、心を揺らしながら、そんな自分のことも受け入れて生きる。 離婚してひとりで別の道を歩くわけじゃない。結婚していても自分の道を歩いていて、たまたま隣り合わせた道を並んで歩いているだけなのかもしれない。だから離婚しても、自分の道を歩くのはなにも変わらない。進む方向とかスピードが自分なりに変わるだけ、なのかもしれない。
  • 2025年11月23日
    るきさん (ちくま文庫)
    わたしが生まれる少し前、るきさんがえっちゃんと楽しそうに生きていた頃はきっとその頃のはずなのに、いま読んでもまったく色褪せているなんて思えない。在宅勤務の独身女性という設定でも悲壮感も孤独感もない。時代はきっといまよりおひとりさまに厳しい目を向けていたと思うけれど、そんなこと感じさせないるきさんの自由で楽しげな暮らしがこの一冊にぎゅっと詰まっている。時代なんてきっと関係ない、その時代を生きる心持ちで、きっと豊かに軽やかに暮らしていけるのだと思う。
  • 2025年11月12日
    御社のチャラ男
    このチャラ男、どこにでもいそうなところが不思議でたまらない存在。 なんだか飄々と軽いノリで生きていてなんか嫌、世渡り上手だけどなんか嫌。なんか嫌、の集合体みたいなチャラ男さんのことを周りの人がなんとなく話題にしていく。中盤にやってくるチャラ男さん本人のターンでチャラ男さんの言い分もなんとなくわかる。わかる、けどぜんぜん好きじゃない。 嫌な人もどうでもいい人も頑張ってる人も頑張らずに上手く切り抜ける人もいる。職場ってこんなかんじだよなあ、ってリアルにぞっとしつつ笑ってしまう。
  • 2025年11月8日
    とんこつQ&A
    とんこつQ&A
    ひとつの物語を読み終えるたびに感じた心地の悪さは、得体の知れないものを見たときの不安な気持ちと似ていた。 自分の「普通」だと思うものがあてはまらないことなんて、わたしが生きている世界ではありふれるくらいにある。それでも目の当たりにしては不安になって、その自由さに憧れのような気持ちも抱いてしまう。 だれもが違う考えで生きていているんだから、ほんとは「普通」なんて曖昧な枠も存在しないのかもしれない。 ごちゃごちゃと混ざる感情にものすごく人間味を感じて、もう笑うしかない。笑いながら、それでも不安でたまらなかった。
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