reina "遠慮深いうたた寝 (河出文庫..." 2025年11月16日

reina
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@dawn_39
2025年11月16日
遠慮深いうたた寝 (河出文庫)
ああ、この人は言葉を心から愛しているのだなと感じる素敵なエッセイだった🍃 何回も推敲したのだろうと思われる、練度が高い言葉たちで文章が編まれていて、感性と言葉へのセンスが羨ましい...!!! ・私は何一つ間違ったことを言っていない。しかし、正しいからこそ夫をうんざりさせる。 正しいことを大声で言い募る私自身が、夫を傷つけている。 つまり言葉は、真実を表現する道具として、どこか不完全なのかもしれない ・毎日、母親の死体をまたいで、玄関を出入りしなければならなかった息子に、何故、と問うのは酷だろう。さっさとやらなければと思いつつ、結局何もやらないままに人生は過ぎてゆくのだ。(中略) ノートは私だけの王国だ。世界がいかに複雑で滑稽で深刻で魅惑的であるか、思い出させてくれる。だからこそ生きるに値する場所なのだと教えてくれる ・だとすれば、自分の人生の終わりも、より正しい何ものかが教えてくれるに違いない。そうであってほしい。たぶん、そうだと思う ・世の中の、すべてのことはいつか終わる。恋人との楽しいデートも、夫婦喧嘩も、つまらない仕事も、病気の苦しみも、本人の努力とはまた別のところで、何ものかの差配により、終わりの時が告げられる。 だから、別に怖がる必要などないのだ。どっしり構えておけばいい。終わりが来るのに最も適した時を、示してくれる何ものかが、この世には存在している。その人に任せておこう ・飛行機が欠航になったおかげで、私はこの一瞬に立ち会えた。人間の立てる予定になど大した意味はない。いつでも大事なことは、人間の計らいを超えたところに隠れているのだ ・言葉という道具の不自由さのまえで立ちすくむ、書き手のためらいこそが、物語の密度を高めるのではと思うからだ ・眠りに落ちる前のひととき、心配と悲しみと安堵と喜びと、たくさんの感情を味わうことが息子にとっては必要だった。ここにいて泣いたり笑ったりできる ・理屈では取り繕えない、人間の心の混沌に潜ってゆける。そもそも理屈から自由になるために、文学は生まれたのだ
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