
紬
@tsumugu
2026年1月9日
流浪の月
凪良ゆう
読み終わった
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男と女が一緒にいたら、「カップル」。成人男性が小学生女児といたら、「ロリコン」。
私たちの脳は省エネする傾向があって、多くの刺激や情報をパターン化・単純化して処理しようとすると言われるが、それにより、どれだけの多様なありようが見えなくなっているのか。
そう思うと、せめて身近な存在のことは、脳の働きに抗って、決めつけずにそのままを見られるよう意識したい、と思う。
でも、お互いに言葉にできず出さずじまいになることはたくさんあるし、心にゆとりがある時ばかりじゃなくて、結局「本当のところは分からないなぁ」に行き着く。その分からなさが、わたしたちには耐え難い。だから、やはりシンプルに決めつけたくなってしまう。
ネガティブ・ケイパビリティという言葉があるが、よく分からなくて落ち着かなくても、既成の形にはめ込まずにあるがままを見続けるには、胆力が必要だ。どうしたら、そんな姿勢を持ち続けられるだろうか…そんなことを考えた。
真実が明るみにならないまま逃避行を続けざるを得ないのも、SNSやマスコミの作り上げる決めつけ話を止める術がないのも、読んでいてもどかしいが、主人公たちが「分かってくれる人がひとりでもいればそれで十分」と、ふたりで一緒に前向きに日々を楽しむ姿に、救いを感じた。





