ハマダ "福音派ー終末論に引き裂かれる..." 2026年1月11日

福音派ー終末論に引き裂かれるアメリカ社会
1859年に刊行されたチャールズ・ダーウィンの『種の起源』は、これまで科学が解き明かせずにいた人類の起源を説明できると主張した。 近代科学の発達によって神による奇跡、自然を超越する存在者の介入は否定され、さらに進化論によって設計者としての神の存在をも否定されようとしていた。 ”旧約聖書の『創世記』にみられるような、神による人類の始祖アダムとエバの創造物語は、古代オリエントに伝わる多くの神話の一つに過ぎない。このことを進化論は白日の下に晒したのだった。” “神の奇跡や誤りなき言葉としての聖書を信じる、保守的な教会の指導者たちは、これに大 きな危惧を覚える。1910年から15年には、彼らを中心に12巻、91もの論文からなる『ザ・ファンダメンタルズ』が刊行された。同論文集は、進化論や高等批評を批判するのは当然ながら、他にもカトリック教会、無神論、さらにはモルモン教やエホバの証人などの異端的な考えを徹底的に批判する、伝統的なプロテスタント思想の集大成であったと言ってもよい。ちなみに、神学におけるモダニズムを否定する保守的なプロテスタントを原理主義者と呼ぶが、「原理主義」、つまり「ファンダメンタリズム」という名称は、この論文集に由来している。” この神学的モダニズムに対抗するする武器として「ディスペンセーション主義」という特殊な終末論がある。 この終末論の特徴はできる限り聖書の記述を文字通りの意味で読もうとする 解釈の方法を指し、それによるとユダヤ人との契約は依然として有効であり、終末の時代には、神は再び「イスラエル(ユダヤ民族・国家)」を主役として歴史を動かすと考える。具体的にはイスラエルを舞台に最終戦争(ハルマゲドン)が起こり、その最中にイエスが再臨する。 だとすればイスラエル国家が再建され、さらに米大使館テルアビブからエルサレムへの移転 は神の計画(タイムスケジュール)を早める、あるいは成就させることと解釈される。 つまり、イスラエルのへの支持は民主主義を守るためではなく、イエスの再臨を準備するためという理屈になる。 この原理主義、宗教右派は世俗から離れて純粋な教義を守ろうとする人々であり、独自のキリスト教系私立学校を創立していくが、”ボーン・アゲインした福音派”大統領ジミー・カーターは、事実上の人種差別を根拠として私学の非課税待遇を否定しようとする。このあたりから、原理主義、そこから派生した福音派の政治への接近がはじまる。 原理主義と福音派の違いとして”人種隔離”に対する考え方の違いがあるとされるが、福音派はにしても”個人の心の持ちよう”の問題だとして”人種差別”への反対運動には積極的に関与しない傾向がある。どちらにしろ世論はすでに70年代半ばの公民権運動を経て「人種差別は悪」という認識が定着しており、政治的的広がりは期待できない状況だった。そしてこの”人種隔離”、”人種差別”に対する考え方を超え、さらにカトリックをふくむ宗教右派してとしてまとまる大義名分として”人口中絶”という問題が”政治的武器”となっていく。 この宗教右派、保守と宗教左派、リベラルの対立分断は加速し続け、第二次トランプ政権においても現在進行形問題となっている。
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