shiori "密やかな結晶 新装版" 2026年1月12日

shiori
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@shiori_417
2026年1月12日
密やかな結晶 新装版
小川作品といえば、何度も噛み締めたくなる美しい文章の印象が強いけど、この作品では文章を味わうというよりは、物語の構造から何を見出すか考えさせられた(もちろん流れるような文章は健在で、あくまで他の作品と比べて、個人的にそう感じたにすぎないけれど)。 少しずつ色んな物の記憶が失われていく島で、大多数の人と違い“記憶を失わない”ことから、秘密警察により「記憶狩り」に遭う、マイノリティの人々。これはナチスによるユダヤ人迫害をモチーフにしているんだろうな(小川さんによる「アンネの日記」の100分de名著も読んでみたい) ほかにも、下記の点は考察のしがいがありそうだけど、まだどう解釈していいのか持て余している。 ・主人公が執筆している小説では“最初に”「声」が失われ、一方実際の世界では“最後に”失われたのが「声」であったこと ・最終的には、マイノリティであった記憶を持つ者たちが、誰もいなくなった島の光の中に歩き出して行くラストの描写 切ないけれど、後味は暗くない。帯にAmazon Studioで映画化決定とあったので、さまざまな記憶が失われていく様子が、どのように映像化されるのか気になる。 記憶を失うのも、まわりの人が失う記憶を持ち続けるのも、それぞれの辛さがある。 私だったら、どっちを選ぶかな。
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