"子どものための精神医学" 2026年1月12日

咲
@mare_fecunditatis
2026年1月12日
子どものための精神医学
大晦日から読み始め、ノートに書き起こし始め、ようやく読み切った、書き切った、頑張った! さすがの良書だった、学びが深い。 精神発達の基本構造を、x軸を「関係(フロイト)」、y軸を「認識(ピアジェ)」で捉えて、相互作用により発達が進んでいくものとし、その中に、定型発達・知的障害・自閉・高機能自閉・アスペルガーのスペクトラムを座標で表す、理論の上に立つ実務的な切り取り方。 認知と認識を区別することによって明確になる、生物/社会・個体/環境のそれぞれの影響の領域。 豊かな智慧と臨床的温かさが、柔らかく混じり合っていた。 精神発達とは、一個体として生まれた子どもが、感覚、情動、ふるまい、認識をまわりの人々と分かち合いながら、社会的・共同体的存在を目指すこと。 子どもは、言語発達が進むにつれて、体験世界の秩序化・安定化が進み、情動的にぐっと落ち着いていくところ、発達障害における認識及び関係の発達の遅れは、言葉の遅れ(そこには、言葉が含む「社会通念・共同体の約束事へのアクセス」への遅さ・弱さも存在する)をもたらす。そのため、世界への安心感の成立も遅れ、定型発達よりも不安・緊張の高い世界を生きることとなる。 アスペルガーの体験世界の特徴として、探索力はあるが人との関わりからものごとを学ぶ力は弱い。これにより、自分の関心だけにリードされて、大人との密接な相互交流を介さずマイペースな世界探索をすることになる。その結果、外国語を独学で学ぶかのように、社会的な共同性の土台ではなく自身のナマの感覚性が土台となった認識世界がつくりあげられる。 乳幼児期に関係の発達の遅れに気付いた時点で、様子を見ずにただちにケアを始める。子の関係性を持つ力の不足を、養育者からの働きかけをそっと増やすことで補う。 愛着形成は相互作用という救い。 それにしても、医学書院の白石正明さんは本当に素晴らしいな。 中井久夫先生と滝川一廣先生に教科書的書籍を依頼してくださったことに、深く感謝。
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