
青青柳色
@robai_701
2025年3月11日

少年が来る
ハン・ガン,
井手俊作
買った
読み終わった
途方もない理不尽を前にした時人はどのようにするのだろう、自分ならどうしたのだろう。
あの時、彼女は生き延びればよかったのか、死ぬのがよかったのかわからない。生きるも死ぬも痛みに溢れていた。
銃を向けられた側と向けた側、隔てられた人間の対立する性質に呆然とする。人間、生命そういうものに希望を持っていいのかという葛藤。
『どうして殺した』という問いが反響して人類全体に問うているかのようだ。
『犠牲者』という単語で消費しない、傷は到底そんな矮小な言葉で飲み下せるものでない。だからただ私は忘れないでいるのだ、という強い想いがそこにある。