ぷり子
@Puricco
2025年3月10日

あひる
今村夏子
読み終わった
今村夏子さんの物語には「ズレている」、「不思議な」登場人物が描かれる。それを読んで私達はもやもやしたり、不穏だと感じたり、普通じゃない、気持ち悪いと感じたりする。
でもよくよく考えると日常には「普通の」人なんてどこにもいなくてみんなどこか壊れてたり、ズレていたりする。勿論、自分自身も例外ではなく。
それを一つの鍋に突っ込んで混ぜこぜにして「普通」ってスープにして消化してるのに、今村さんはそのスープを漉して具材を一つ一つ調べてそれらが「普通」かどうか確認させてくれる。優しいお節介とでも言えばいいのだろうか。
「普通の」人達にはたまったもんじゃないだろうけど、そこが彼女の素晴らしさなんだと思う。

