
匙
@sajisann
2026年1月13日
帰郷ノート/植民地主義論
エメ・セゼール,
砂野幸稔
かつて読んだ
“そしてその声は告げる、ヨーロッパは何世紀にもわたってわれわれに嘘を詰め込み、悪臭で膨れ上がらせたのだと、
なぜなら、人間の仕事はもう終わったとか、
われわれにはこの世界で何もすることがないとか、
われわれは世界に寄生しているのだとか、
われわれは世界に従うだけでよいのだとか、
そんなことはまるでほんとうではないのだ”
「帰郷ノート」
何度読んでも帰郷ノートのここが泣ける。
“結局のところ、彼が赦さないのは、ヒトラーの犯した罪自体、つまり人間に対する罪、人間に対する辱めそれ自体ではなく、白人に対する罪、白人に対する辱めなのであり、それまでアルジェリアのアラブ人、インドの苦力(クーリー)、アフリカのニグロにしか使われなかった植民地主義的やり方をヨーロッパに適用したことなのである。”
「植民地主義論」
アンドレ・ブルトンの熱い序文、一度詩を諦めたあとノートに書き留めた言葉が長編詩へと変貌した、黒人たちの独自の文化・精神性のネグリチュードを歌い上げだ「帰郷ノート」と痛烈な「植民地主義論」、セゼールの生涯、政治的な評価やマルティニーク政治小史もまとめてぎゅっと概説している訳者の「エメ・セゼール小論」の4本で構成されている。エメ・セゼールという人と詩を知るこれ以上ない入門本という感じで、編集が素晴らしい。





