一年とぼける "すべての、白いものたちの" 2026年1月14日

すべての、白いものたちの
すべての、白いものたちの
ハン・ガン,
斎藤真理子
余白の多い作品だった。むしろ文字よりも余白のスペースの方が多かったかもしれない。ページを捲り続きを読もうとすると、ページ数も省かれた真っ白な余白が配されていて、不思議とその余白を飛び越えられなくなる。自然と、余白に何が込められているのだろうと考え込みながらの読書になる。 言葉の少ない小説の、それでも作者が書き付けられなかった言葉の余韻。 死を透過した生の色。 ただただ読者に差し出されたスペース。 そのどれかの様で、そのどれでもない様な余白に立ち止まりながら、それでも言葉が少なく余白が多いという現実の前ではすぐに通り過ぎて行ってしまう事が悲しかった。 きっと作者はこう呼ばれるのを嫌がるだろうと思うが、それでもどうしようもなく美しい作品だった。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved