
埋没
@mai_botsu
2026年1月14日
黄色い家
川上未映子
読み終わった
初期から読んできた方はお分かりのとおり
最近の川上未映子の作品は
文章よりも物語に偏っていて
『乳と卵』以来の少女とか貧乏とか
『わたくし率』の歯とか
そういういろんなモチーフに
事件性を組み合わせて物語にしたら
きっと生まれるのが『黄色い家』で
新聞連載だから冗長と感じる部分も
当然あるのだけど、それでも
あ、川上未映子だなあっていう往年(?)の
言葉遣いというか、文字の閉じ開きというか、
言葉の繰り出し方みたいなのに出合うと
これを求めたのって感じになる。
『夏物語』の100倍くらい良かったと思いました。
p55
たぶん黄美子さんは今日いなくなることをなぜなのか決めていて、そのあとひとりになったわたしのお腹が減っても困らないように、ここに、こうやって、食べ物をひとつひとつ、詰めてくれたのだ、食べ物を、わたしにーーそう思った瞬間、胸がつまった。わたしは冷蔵庫の奥から漏れてくる薄い黄色の光を見つめながら、動くことができなかった。


