ヨシユキ "スロウハイツの神様(下) (..." 2020年3月22日

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)
スロウハイツというシェアハウスみたいなところに住む住人達の物語。住人が入れ替わったりもするが、売れっ子作家の2人と物書きや芸術の卵の3人と作家のマネージャーの6人を中心に話が進んでいく。 一緒に住むくらいだから、もちろん仲はいいけど、それでも踏み込んじゃいけない領域とか、どこまでなら言っても大丈夫かとかの、言葉選びとか距離感が絶妙で、すごくリアリティがある。 上巻では、それぞれの過去とか現在のやりとりが中心に描かれていて、後半の種を蒔いてく雰囲気、けど最後には、下巻へと誘い込む大きな爆弾を置いていく。 下巻ではスピード感が上巻とは違って感情の振れ幅がかなり大きくなってくる。それに加えて上巻で蒔いておいた、伏線を最後にごっそり回収していく。それを予想しながら、読むのもおもしろいし、種明かしされてから、あそこのがっ!って気づくのもおもしろい。 ひとりひとり性格が違ってだからこそうまくいく部分、ぶつかっちゃう部分、どっちもたくさんあって、みんな人間らしくて、誰も嫌いになれないし、切なさの中にも、打ち明けない、わからないからこその美しさとかがよく現れてる作品だと思った。
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