@s_ota92
2026年1月16日
思い出トランプ
向田邦子
かわうそ
p19
「一日中遊んでよろしいといわれ、ボールをあてがわれても、たったひとりでは、ただのゴムの球体に過ぎない。」
p22
「かわうそは、いたずら好きである。」
だらだら坂
p32
「この坂は、庄治の四季であった。」
はめ殺し窓
p47
「家の貌はそのまま江口のくたびれた貌に違いなかった。」
p55
「美貌の妻を自慢しながら、一生嫉妬に苦しんだ父親の二の舞はしたくなかった。」
マンハッタン
p97
「無気力気質同士、ゆっくりゆこう。」
犬小屋
p110
「こういうとき、カッちゃんの目は笑っている癖に泣きべそをかいているようにみえた。」
大根の月
p137
「そのせいか、大人になってからも、大根を切っていて切り損ないが出来ると、ひとりでに手が動いて食べてしまう癖がついた。」
りんごの皮
p155
「気の進まないところへ出掛ける時は、時刻表通りに、したり顔でやってくる乗り物まで自分を嬲っているように思えて、時子は腹が立っていた。」
酸っぱい家族
p171
「捨てるということが、こんなにむつかしいとは知らなかった。」
耳
p188
「家族の居ない家は、他人の家みたいだ。」
p196
「妻に迎えたひとは、ごく軽くだが片足を引く。」
花の名前
p212
「教えた甲斐があったわ。」
p217
「女の物差は二十五年たっても変わらないが、男の目盛りは大きくなる。」
ダウト
p228
「通夜にしろ結婚式にしろ、人の節目のセレモニーには、大なり小なり芝居っ気がともなうものである。」
p231
「自分のなかに、小さな黒い芽があることに塩沢は気がついていた。」
p236
「ダウト───と何度声をかけても、カードを裏返してくれなければ、計りようがない。」