カミーノアン "失われた貌" 2026年1月15日

失われた貌
失われた貌
櫻田智也
中盤を過ぎてもなお登場人物は増え、謎は収束するどころか、さらに深く提示されていく。その構成力に引き込まれ、読む手が止まらなかった。 なかでも羽幌と日野の対峙シーンは、この作品のひとつの到達点だと思う。かつて自分が放った言葉や選択が、形を変えて自分自身に返ってくる。その現実に狼狽する羽幌の姿が痛々しく、同時にとても人間的だった。彼が必死に守ろうとしたものを思うと、胸が締め付けられる。 部下の入江をはじめ、登場する刑事たちも皆クセがあり、重厚な物語のなかに確かな楽しさがあるのも魅力。時系列や人物相関を整理したうえで、もう一度じっくり再読したくなる一冊だった。
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