
やさしい犬
@yasashidog
2026年1月16日
GOAT Summer 2025
一穂ミチ,
朝井リョウ,
野崎まど
読んでる
「遠山くんの実家で飼っていた犬の名前をもう思いだせない」も良かった。
主人公はデザイナー志望でありながら就活に失敗してつまらない事務仕事の傍ら時折スーパーのあってもなくても良いようなチラシのデザインを任される若い女性。ある時ほんの出来心で仕事の原稿にどうでも良い画像を透かし加工したまま入稿してしまう。
ありがちなちょっとした気の迷いからあれよあれよと悪の進路を進んでしまって破滅する後味の悪い物語かと思いきや、自分が歯牙にもかけていなかった、なんならちょっと小馬鹿にしていた存在に嗜められる。曲がっていた生活の芯をピリッと正される。それがなんとも小気味いい。
諦めきれない憧れの残滓が悪の芽と萌芽する様が切なくもリアルだった。目が覚めて、主人公が自分の憧れと真っ直ぐに対峙できるかどうかはわからない。けれどその過程を彼女がありのまま受け止められるようになった気がする。
