数奇 "バウムガートナー" 2026年1月17日

数奇
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@suuqi
2026年1月17日
バウムガートナー
バウムガートナー
ポール・オースター,
柴田元幸
「人生」を描かせてオースターに勝る者なし、と最後の作品に至るまで思わされる傑作だった。オースターの晩年の作品はどこか自伝的な、主人公に自分を重ねた作品が多いように思えるのだけれど、この作品も例に漏れず自身の死期を見て表出しているように感じられる。妻の事故死を引きずったまま老年となった主人公が、人生の終わりと向き合いながら最終章を歩み出す物語がとても良かった。人生の最終章に息子・娘のような存在に出会うという希望ある話であるのが素晴らしい。これまで様々な人物の人生を描いてきたオースターの最後の作品のタイトルがシンプルに主人公の名前であるというのも良いし、最後に綴った英単語が「begins」であるというのも美しいと思う。
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