YOSA Reads
@ps032089
2026年1月17日
日の名残り
カズオ・イシグロ,
土屋政雄
読み終わった
イギリスの田園風景の描写や、当時の時代背景が繊細に描かれている。主人公は品格を重んじる名家の執事スティーブンス。主人であるダーリントン卿の政治思想や、ミスケントンの自分への思いに対して、自分の思いを曝け出すことはなく、ただ品位ある執事として振る舞っていた。物語は、ミスケントンからの手紙を機に、旅に出るところから始まる。これまで屋敷の中で、ただ執事として全うしていたスティーブンス。旅をする中で、過去を振り返り、果たしてこれまでの自身の選択が正しかったのか。幸せだったのか。と悩み葛藤する。
終盤での、「私は選ばずに、信じたのです。」という一言が心に残る。日常は屋敷の業務に追われて、自身の時間も少ないスティーブンスが、旅の中で過去を振り返り自分を見つめていく。彼にはそもそもこの時間が必要だっただろうし、日の名残りのタイトルにある通り、人生の終盤で後悔してももう後には戻れない。信じるだけではなく、考えて選択することの大切さ。これは今の社会においても大切なマインドなのではないだろうか?



