
米谷隆佑
@yoneryu_
2026年1月17日
人間をみつめて
神谷美恵子
読み終わった
人間の内部と外部の、特に内にある病いを診断、治療してきた経験から説得力ある論を展開しつつ、しかし、わからないことは飛躍して論を展開しない慎重さに科学者として正しい気質を感じさせる文体が目についた。
わからないこと、外部の圧力で人間がまだどうなるかがわからないこと、精神疾患の脳科学的アプローチの不明瞭さ……。
専門用語は既に使われなくなったものが多く、精神科は日進月歩だ。精神疾患の概念自体、古びれて参考にしかならない。が、古典的な詩や物語、現実に起きた精神疾患病者の事象を引用して、謙虚に進める力強い論調が、心によく響いていた気がする。
「生きがい」という現代人の悩みに応えた名著である。