
きん
@paraboots
2026年1月18日
でっちあげ
福田ますみ
読み終わった
読了。
僕は映画から入ったクチだけど、映画は多少の脚色こそあれ、この事件の真相みたいなものをほぼ実写化されていると感じた。
本書はフリージャーナリスト福田ますみ氏によって、"史上最悪の殺人教師"とマスメディアに晒された福岡の一教師によってあったとされるいじめ事件の全容に迫っている。
僕自身、当時は報道を見ても、へぇーこんな教師がいるんだ程度でしかなかったのだろう。いま思い出そうにも記憶の断片にしかなく、正直当時何を思ったとかそういうのも確かではなかった。
だが本書を通して描かれるそれぞれの正義みたいなものに、一人のごく一般的な男性教諭の人生は大きく狂わされていってしまう。
受け持った子どもの両親、その両親の訴えに迎合する校長をはじめとする学校関係者、いじめがあったとして教諭を処分する市の教育委員会、下調べもおろそかなうちに両親の話を鵜呑みにし面白おかしく書き立てるマスメディア、あったかどうかの認否も定かではないのにいじめがあったことに憤る弁護団、両親の訴えに流される医師。
すべてがそれぞれの正義や正当性のうちに、一人の男性の人生を生活を大きく狂わせていく。
当事者親子による嘘で塗り固められた、まさにでっちあげ。
読んでモヤモヤする。
なんだこれはとある種憤る。
そして自身にも起こりうることだと戦慄すら覚える。
いったい、正義や正当性とはなんなのだろうか。
そういうことを考えさせられる一冊だった。
嘘は悪いことばかりでもないが、嘘で塗り固められた人生に人は何を思うのだろうか。
そして、昨今のSNSなどでも多く見られる正義論は、その信憑性を問わず人を傷つけることなど意に介していない。
そして正義を語ることで承認欲を満たそうとする行為に、人はこぞって行列をなす。
読後の感想として。
自分もいつ何時、その矢面に立たされるかわからないなと身のひきしまる思いと、誰かに何か言いたいことがあっても、今後は言葉にすることを少しばかり躊躇してしまうだろうなと考えたりもしている。
追記
僕自身、優しさや思いやりが大事だよと教わって育てられた。
人の世には、まだそういうプラットフォームを共有できる力があると信じたい。





