こば "おいしいごはんが食べられます..." 2026年1月18日

こば
こば
@Bagm001
2026年1月18日
おいしいごはんが食べられますように
高瀬隼子さんの作品好き。 『水たまりで息をする』もこの作品も、特殊な状況に注目する感想が多いけど、私はそこは印象には残らない。  作中の登場人物は、そのどろどろした本音を他者には打ち明けない。ほとんどを自分の中で処理して、もしくは処理できるつもりになって、他者には頼らない。自他の境界線が非常に明瞭だ。自立とは依存先を増やすことだとも言われるが、高瀬さんの登場人物の多くはその逆だと思う。  この姿勢は気高くて孤高だけど、傲慢で不完全だし、甘い。そういう甘さが状況を悪化させてしまっている。じゃあ周りを頼れとというのも正しいんだけれど、自他の境界線を曖昧にすることは自分の弱さの露呈にも繋がる。自分の弱さも受け入れなさいというのは正論だけれど、受け入れてしまったら自分が壊れてしまう弱さもある。人を頼れるというのは、それなりに落ち着いた環境で育ってきた証でもあるし、周りからの評価を気にせずにいられる鈍さやスルースキルがあるという意味では、強さでもある。 人と接する時、丁寧に扱うだけではなくて雑に扱う優しさもあるんだなと感じる。丁寧で優しい人は重い。ある程度の雑さも残して接してくれる人は、本音を話してもきっとひかないで聞いてくれるだろう、流してくれるだろうと感じるから楽。 「与えない」を与える優しさもあるんだなと気づく。結局、自分が目の前の人与えられる選択肢が多ければ多いほど、周りの人に優しくできるのだと思う。一般的にその行動が「冷たい」とされるものであっても。
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