
Ayako
@aya_rb
2026年1月18日
亡き王女のためのパヴァーヌ
パク・ミンギュ,
吉原育子
読み終わった
@ カフェ
ひとまずの終わりでも十分に愛についての物語だったけれど、その終わりの先に、また深い愛がある物語だった。
若い時代の、その時にしか味わえない不器用でみずみずしい恋愛、と読むこともできるけど、孤独と傷を抱えてマージナルに生きる人が、それぞれを思い合う愛の話でもある。
音楽としての『亡き王女のためのパヴァーヌ』は、ラヴェルが病を得て記憶を保つことが難しくなったのちに、自分のこの曲を聴いて旋律の美しさに涙した、というエピソードまで含めて好きで、感傷的すぎる、という評価もあるけれども、それだけ心を震わせる曲だなあと思うし、この小説もそんな感じがする。
そして資本主義とはつくづく、比較し渇望することが当たり前になってしまうものなんだな、とも思った。今、まぎれもない資本主義社会に生きていて、いろいろなものを手に入れたり手に入れたいなあと思ったり、そのおかげで楽しみも得ているのだけれど、何かを手に入れた瞬間に、世の中の平均は上がって、渇望がまた一段階上がっていく、そういう世の中に生きていることを痛感する。
「誰かを羨むこの瞬間、世の中の平均は上がる」
平均なんて関係ないよ、わたしはわたしだから、と言える人もいるんだろうけど、そう言える多くの人は、傷を抱える必要のない人なのかもしれない。
彼女がただの「女」として生きていける世界、ここは、ただの「人」の方が好みだけど、あえての「女」なんだろうな、と思った。



