
ヤマダ!
@ts_o_tw
2026年1月7日

BEAM
瀬口真司
@ 本の読める店fuzkue初台
七草粥は食べ損ねたがフヅクエ初めを叶えた。新宿から初台まで歩くこともできた。待望の瀬口真司の歌集も手に入れる。
どれだけ極私的なエモーションを歌おうと、生きている限り情動も叙情も歴史の流れや社会の構造と無縁でいることはできないという事実にとてつもなく自覚的な歌ばかり。
洗った顔を見ている僕の眼が見えた みんなのリーダーは僕だから撃て(P26)
「洗った顔を見ている僕の眼」を更に捉える「眼」がある。俯瞰の俯瞰。メタのメタ。そこまで体に負荷をかけた上で、自身を「みんなのリーダー」であると主張し、「撃て」と促す。批評家としての瀬口の作歌におけるスタンスが現れていると思った。
全ての芸術作品は作者の意図に関わらず時代性を帯びるが、瀬口はそれを何より強く意識して歌を作る。瀬口の批評家/歌人としての覚悟が伺い知れる歌だ!
以下に初読で目に留まった歌を引いておく。
何度も読み返してピックしたくなる歌の変化を楽しみたい。
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寒さから心を奪い返とき余計に取ってきた心たち
夢で見た人工林をくぐりぬけ大停電の再背面へ
いまは祈れ胸を割かれるそのときのナイフが官給品ではないように
真夜中をおんぶしあって進むのは誰と誰 からだは話の港
ガムを燃やして遊ぶみたいな夕方がある二十代 きらり風騒
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(瀬口が公開しているプレイリストをチェックすると彼が渋谷系大好きで納得。つまり彼が「大停電」という言葉を使って短歌を作る時、ceroの「大停電の夜に」が確実に脳内で流れているわけで!)
