とり "月と六ペンス" 2026年1月18日

とり
とり
@tori
2026年1月18日
月と六ペンス
月と六ペンス
ウィリアム・サマセット・モーム,
土屋政雄
ストリックランドのことを好きになれるかと言われたら、答えはNOである。 当然のことながら、彼のことを好き嫌いで語るのは間違いだとは思っている。しかし、どうしても好きになることはできないのである。 ただ、彼の芸術…美に対する向き合いはとても好きという点が正直悔しい。 これまでの人生をすべて捨てて、絵を描きたいのみで行動することができるのは語彙はないが、素直にすごいとしか言いようがない。 これは自分では何もかもを捨てて夢を追うことはもう難しいというところからきている。 中盤は重く、そして暗く。話の内容がすべて重さを持っており、どうにもできない感情にさいなまれて読み進めていった。ストルーブは幸せになってくれ、頼む。 そしてタヒチへ舞台が移ってからが一番引き込まれた。今までのストリックランドに対する不平不満が一気になくなり、ああ、ここが彼にとっての居場所であったのかと痛感をした。 それと同時に彼の絵をこの目で見てみたかったとも思った。 結局、彼のことは嫌いだけれど、私も彼に魅せられた一人の人間なのである。
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