まいける "氷柱の声" 2026年1月19日

氷柱の声
氷柱の声
くどうれいん
エッセイを読んで、くどうれいんさんの書く文章が好きになった。 音声を言葉で描写するのが、抜群に上手だと感じている。 わたしのそばに寄り添いながら、ページを捲らせてくれるような、柔らかな力強さがある。 本編はもちろん、あとがき、文庫版あとがき、安達奈緒子さんの解説まで、全てが素敵な作品だった。 2011年3月のわたしは、福岡県に住む小学2年生だった。学校が終わって家に帰り、いつものようにテレビを付けたら、茶色い濁流のなかに転々と浮かぶ家屋が映し出されたと記憶している。 伊智花よりも、葵さんよりも、ずっとずっと遠くにいる自分。そんな自分が、読み進めるなかで、目を潤ませたとき、自分自身を責めたいような気持ちになった。 伊智花の、トーミの、中鵜の、小原の、葵さんの、松田の、くどうれいんの、安達奈緒子の、声を聞いて、放り投げられた「マイボール」を受け止めようとした、わたしの日常。
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