Anna福 "午後" 2026年1月20日

Anna福
Anna福
@reads--250309
2026年1月20日
午後
午後
フェルディナント・フォン・シーラッハ,
酒寄進一
タイトルのないナンバリングされた短編たち。 弁護士であり作家の「私」が、東京のホテルで、パリやオスロのカフェで、世界各地で出会う人々から話を聞く午後の時間。 なぜ数字なのかは、シーラッハ自身が共感覚の持ち主だと、あとがきで知った。それぞれの数字が彼には何色に見えているのか、気になるところだ。 原子でできた世界は循環する、とナポリのカフェで94歳のロレンツォは語る。私たちは原子でできた存在であると同時に、心を持った人間でもあるのだと感じる。人は孤独を抱え、その孤独を語ることで他者とつながる。重い出来事が語られていても、読後に残るのは静けさだ。午後という時間に向けられた、シーラッハの人間存在への眼差しが、そこにあるのだと思う。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved