
かみちー
@kamichiiii
2022年12月13日

読み終わった
食事×職場×恋愛ということで、ライトなテーマかなと思いきやさすがは芥川賞作品。
『食事』がここまで人の心情を掘り下げて人間の本質みたいなものを照らしてくるとは。
僕は食べることが大好きなので、食事は楽しいものとしか思ってなかったけど、だからこそ考えさせられる部分が多くて面白かった。
食事は価値観の確かめ合いであること、それ自体が密度の濃いコミュニケーションであること。
人それぞれに正しさはあって、違うルールで生きていること。
主人公が無機質で人間らしさが無いのに、一番人間らしく見えてくる。
人間なんて皮一枚剥がせばこんなものなのかもとも思う。
そこに何故か癒される。
それは多分自分を飾りに飾って生きているからなのだと思う。
印象に残った文章。
『誰かと食べるご飯より一人で食べるご飯の方が美味しい』
ここだけ切り取るとアレだけど、文脈で見るとすごい分かるそれ!
温度感がとてもよい作品。

