ばく "熊はどこにいるの" 2026年1月20日

ばく
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@ab9_awaw
2026年1月20日
熊はどこにいるの
一気に読んでしまった。淡々とした描写のなかにある、登場人物それぞれの生々しさが際立っている。会話文を鉤括弧でくくらないぶん、意識がより登場人物に引き込まれていくような感覚があった。 傷ついてきた女性たちの営みが、赤子の、しかも男のそれによって形を変えていくのが興味深かった。登場人物の女性たちの中にある、男への恐怖と渇望が痛々しいくらい描かれている。そしてまた、そのアンビバレントな葛藤をよそに男の赤子は成長していく。 傷ついているからこそ、女性たちが相容れることができないのも印象的だった。同じ人間が存在しないように、同じ傷も存在せず、だからこそ傷のみで連帯するのは難しい。 いい熊も、わるい熊もいる。それは人間も同じである。 2026/01/20/19:16追記 物語終盤、リツひとりとなった丘の上に、訪れながらも立ち去る女性たちが去り際リツへ投げかける言葉は、じつに家父長制的なものである。リツは性暴力を受けた過去を持ち、男性を遠ざけ、自ら銃を持ち自立の道を選んだのに、そんなリツに家父長的振る舞いが現れて女性たちが去っていくことになるのはなんとも皮肉だ。 性別と性別にまつわる特徴は、ハッキリと分けることはできず、どこかでどちらかも内包し、複雑に折り重なるものなのかもしれない。
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