おいしいごはん "帰れない探偵" 2026年1月21日

帰れない探偵
帰れない探偵
柴崎友香
少し時間を置いて、最後の部分だけ読み返した。 だからといって、「ああ、そういうことか」となることはなかったけれど、自分の中での受け取り方は定まった気がする。 ふとしたことから、帰れなくなった探偵。人の役に立ちたい、人を助けたいと思い動き、しばしば人の悪意に触れて自分はどうすればいいのか分からなくなっていく。原点に立ち返った時、帰るために走り出せた。そんなお話なのかと思った。 小説としては(私の感覚だと)吉田篤弘さんを思い出すような少し不思議な感じ。私たちがいる地球の世界線からひとつふたつズレた世界線のお話のような感覚で、独特のリズムと共に話が展開していく。時折挟まる私たちの世界にも共通しそうな愚痴は、「大資本を持った人の自分本位な行動」や「それを実際以上に膨らませる陰謀論」などの形で物語を俯瞰していたような感覚から物語の中に引き込む力があるように思った。 悩みの中にすごく共感できるものも多く(だからこそあのラストはえ!?!ってなった)、文庫になったらまた読んでみたいなと思った。
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