
人工芝
@_k55y
2026年1月21日
ヒカリ文集
松浦理英子
読み終わった
劇団員全員が恋をした「ヒカリ」についての文集。
それぞれの想いが、静かに、そして痛いほど率直に綴られている。
ヒカリは多くの人と恋をし、そのたびに誰かに喪失感を残していく。
けれど、結局は誰のものにもならない。
だからこそ、人は彼女を渇望してしまうのだろう。
もしかすると、ヒカリにとっての「人を好きになる」という定義は、根本から他人とは違っていたのかもしれない。
誰からも愛されながら、誰からも理解されない存在。
劣悪な家庭環境の中で育ったからこそ、ヒカリ自身もまた「ホンモノ」を探し続けていたのだろう。
恋人ができるたび、期待されるたび、その理想と現実の狭間で、彼女は何度も絶望してきたはずだ。
愛されているのに満たされない。
手に入らないからこそ、忘れられない。
そんなヒカリの姿が、読後も静かに胸に残り続ける。

