パン·オ·ショコラ "" 2026年1月21日

息
小池水音
タイトルと表紙の装丁に惹かれて手に取った本作。初見の作家さんだ。 ふたつの中編作品からなる本作。タイトル作の"息"と、"わからないままで"が収録されている。どちらの作品も静閑で、ひっそりとしている印象。大切なことは、日常に隠れているかのような。 "息"は、その名のとおり息を題材としているようで、ぜんそくを患う私がある出来事と向き合う話。優しく綺麗な文章は、三島由紀夫賞候補になったのも頷ける。 "わからないままで"も良かった。私は、こちらの方が好きだ。デビュー作だそう。ある家族の話なのだが、ラストで鼻の奥がじーんとした。他の作品も読みたい。 『呼吸、音、線。それらべつべつのものが、次第におなじひとつの連なりであるようにおもえてくる。やがて、わざわざ手を動かすことも、呼吸すらも必要なく、線がおのずからそこに生じて、ひとのかたちを浮かばせてゆくように感じる。"息"より』
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