漆野凪 "ここにひとつの□がある" 2026年1月19日

漆野凪
漆野凪
@urushinonagi
2026年1月19日
ここにひとつの□がある
ブックウォーカーの読み放題にて読了。 かなり実験的な、八つの章からなる作品。小説だと思って手に取るとかなり面食らうかも。様々な「箱」にまつわるお話や問いかけがあり、章により文体や方向性が異なっている。 個人的には章の中でも読みやすくわかりやすいホラーとして描かれている第二章「放課」と第三章「カシル様専用」、そしてなんだか退廃的でロマンチックな文章を読まされているぞ……!という気持ちになる第七章「虹色の水疱瘡、或いは廃墟で痙攣するケロイドが見た夢の中の風景」が好みだった。 ここ最近言葉について考えていて、わたしの考えとしては「不定形の思考がまず存在して、それに輪郭を与えるのが言葉」なんだけど、作中で「言葉とは、形象の真空/空白に呼称という液体を流し込む行いを指します」という個人的にタイムリーかつ全く別の捉え方の文章が出てきたのが面白かった。 今回は電子書籍の読み放題で読んだから楽しめたけど、これを紙で買っていたら楽しめなかった可能性がある。 ギミック的に仕方ないものの「小説だと思って購入したら本の1/3くらいが実践型のドリルだった(しかも割とページの余白が多い)」という事態になるので、本に文章量を求める人には向かなさそう。
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