
ゆめ吉
@yume_books1357
2026年1月21日
たゆたえども沈まず
原田マハ
読み終わった
読書日記
オランダから眺めるパリと、日本から眺めるパリ。二つの視点で描かれている。どちらの視点でも、セーヌ川は刹那なんだな。もちろん、著者が日本であるのが前提である。フィンセント・ゴッホとテオの葛藤が心惹かれる。テオの描写が多いが、フィンセントの言動の描写が重たさを暗喩する。フィンセント兄弟に林忠正が助言して、ことを動かしているところが実に興味深い。林忠正の言葉は日本の感性から眺めたフランスを言い尽くしている。
「忠正は、「いいかシゲ。心得ておけ」と前置きしてから、パリに到着して目が浅い後輩に、噛んで含めるように語って聞かせた。「このパリでは、真の文化の擁護者はご婦人方だ。日本においては、貴婦人は表にでず、ひたすら陰で夫を支える、それこそが美徳とされているが、そんなものはパリでは通用しない。夫は事業だ富を築き、奥方がそれを消費する」」(p.67)
今の日本は、違うけど。シャネルから始まり、フランスが多い。私自身でもびっくりします。絵の見方や絵の売り方や、商売の怖さまで知ることができる一冊。小説は感性を生む、と言われているが分かる気がする。絵画の知識がないが、何かを学べた。









