和三盆
@GyokuroMatcha
2026年1月22日
プロジェクト・ヘイル・メアリー 下
アンディ・ウィアー,
小野田和子
読み終わった
睡眠と食事の時間すらも惜しんで続きを知りたくなる作品なんて、ここ最近出会えてなかった。強いて言うなら進撃の巨人以来かな。素晴らしい作品の比較対象として他の作品を持ってくるのはとてもナンセンスではあるが、とにかく読み終えて満足感と興奮から、こう言い表せないくらい、宇宙SF最高傑作ではないかということを伝えたい。
名作であるという情報は聞いていたが、なんとなく読むのを後回しにして、そのうち読もう程度でkindle内での積読、データが積まれてるわけではないから蓄読?cache読?、まぁそれはどうでもよくて、とにかく幸いなことに内容に関して何も前情報を得ることなく読み始めることができた。
ここからは内容に触れることになるが、
表紙から宇宙モノだということだけは理解できたが、タイトルのヘイルメアリーという言葉の意味も恥ずかしながら知らなかったので、冒頭の場面ではキャトルミューティレーションでもされてるのか、何が起きているんだとワクワクしながら読み進めることができた。そして地球外生命体との初接触との場面の興奮といったらもう!この辺りから読み進める手が止まらず、平日で仕事があったにも関わらず結局上下巻を読み終えるのに3日弱しかかからなかった。ビジネス書を読んでいる時はkindleアプリ左下に表示される読了まで何時間はさっさと減らないかなと思って視界の端に捉えるのに、本作を読んでいる間は先は知りたいけれど終わらないで欲しいという相反する考えのせめぎ合いだった。工学専攻だがあいにく物理系はあまり好きではなかったので、細かい科学的描写の正確性は私の頭では判別できないが、測定装置の名称や、理論説明に対する直感的な納得性も高かった。ドラえもん並みの愛おしくお助けキャラであり、スーパーエンジニアのロッキーさえいればどんな難題も乗り越えられると思えた。ロッキーとの邂逅、だんだんと可能になる意思疎通、難題解決のために一直線で考えて行動に移す頼もしさ、魅力的すぎるキャラクターだった。人間は愚か、愚かで優雅なグレース博士ももちろん魅力的なキャラクターだった。結局SFといえど恋愛感情が絡んできて邪念が入るんだよな、これもなんだかんだ血も涙もない冷酷なストラットがなんやかんや出発直前にグレースに涙を流しつつ本当は行ってほしくない、とかいうツンデレ展開になるかなと思っていたが、今作のヒロインはロッキーでしかない。物語が進むとともによみがえる地球の記憶で描かれるストラットも十分魅力的なキャラクターだったけれどね。最後の、臆病者であることを自覚しているにも関わらず、それでも親友ロッキーを助けるために自分の死をも厭わないグレース、光のない中では人間は無力となるにも関わらずブリップAをそこにあると信じて宇宙空間に飛び出すグレース、最後の最後まで良かったな。記憶を消してもう一度読みたい。
イメージを崩さないために映画のキャストなどは読了まで見ないようにしていたが、ストラットはもっとシュッとした若い女性を思い描いていた。でもそれはアニメや漫画のヒロイン像でこちらが勝手に解釈しただけで、知的で任務遂行のために全血力を注ぐキャラクターなはずだもんな。映像化も楽しみ。本当に良い時代だ。


