
ミオReads
@hanamio03
2026年1月22日
虚弱に生きる
絶対に終電を逃さない女
読み終わった
大寒波の雪に閉じ込められている間に読んだ。
わたしは平均並みには体力がある女だと思うが、近親者に虚弱がいるので何か参考にならないだろうかと思ったのが手を伸ばしたきっかけだ。実際「眼鏡をかける」「体力をつけるための体力をつける準備をする」などは実に参考になった。
しかし筆者も作中で言っていたように、程度は違えど加齢による体力低下という面では分かりあえる気がした。
『創作や表現における「才能が枯れる」「感性が鈍る」などと言われる現象も、加齢に伴う体力低下が最大の原因なのではないかと思う。単純に脳のパフォーマンスも下がるので、インプット・アウトプットともに効率も質も下がり、結果的に才能や感性と呼ばれるものが衰えたと感じられるのではないか。』
膝を打ち、じゃあどうするかというと、結局筋トレしかないのである。希望の話だ。
すごい本だったと思う。試行錯誤を経たノウハウに終始しない。自己探求と自己分析。自分はどう生き、どうありたいのか。自分の欲求を逸らさず見つめ、残酷なまでにソリッドな取捨選択をする。人生の話だ。
著者が己と己のいきかたを受け入れるまでの孤独が、あまりにもせつない。
『私の普通じゃなさに私自身も周りも困っていて、なぜ喋らないのかと散々問いただしておきながら、障害だと言うと慌てて私の普通な部分を探して強調し、普通じゃない部分は都合良く個性として扱おうとする。』
分かって欲しい。分かって欲しい。苦しみや存在を分かって欲しい。切実すぎる原初の渇望。人がバズってよかったと、ほぼ初めて思った気がする。孤独を理解してくれる人がいたのだから。
人は自分しか生きられない。理解は他人からしか得られない。アンビバレントな、けれどとても素直に届く、淡々とした語り口の、人生の話。よい本でした。



