たにこ "わたしは、あなたとわたしの区..." 2026年1月22日

たにこ
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@chico75_11427
2026年1月22日
わたしは、あなたとわたしの区別がつかない
中学3年生夏の作文コンクールで文部科学大臣賞をとったのが話題になっていたことからこの作品を知り、読んでみた。 著者本人が、これまでの人生で見て感じてきた、自分と自分以外の話。 本来なら話すことが難しいほどの重度ASDであるが、ADHD+情報処理速度IQが150あることが関係しているのか、このように文章を書き、一般の高校生としての生活を謳歌している(もちろんたくさんの努力の上)とのこと。専門の医師から見ても珍しいパターンだそう。(著者母のあとがきより) 療育、支援級、家族や周囲の関わりでゆっくり成長して、今の彼があることが分かる。 著者自身は自分と相手の区別がつかないといった。発達障害であることが嫌だと言った。でも家族は、そのままの著者をただ好きだと言う。そんな家族と一緒にいるからきっとこんなに素敵な文章が書けたんだと思う。 彼の中の世界、感じ方を存分に受け止めることができた。勉強にもなったし、教えてもらったこともたくさんあった。忙しい中、本を出してくれてありがとう。あなたの本は私の中に住み続けるよ。
たにこ
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@chico75_11427
<お気に入りのところメモ> 学校はわたしに休憩所を用意してくれた。(中略)いま思えば、感謝をすべき贅沢な状態であると感じる。とても手厚いと思う。だけど、もう一方のわたしが、なぜわたしを叱ってくれなかったのだと怒りを覚えて、震えている。みんなは叱ってもらえたのに。 母に聞けば、とにかく学校が嫌いにならないようにしてもらったらしい。当時のあなたを叱っても、まったくわからなかった。先生は最善を尽くしていたのだと、知るべきだと言われた。(P39) 何で人と物を見分けているのか。人間は二足歩行をしていると人間だと思っていた。声で誰かを見分けられた。遠目から見たイメージのように、縦横比でも見分けていた。 小学生のわたしの世界は、母とわたし、その他でしかなかった。(P41) 精神の全てが幼いわけではない。心の中にもアンバランスな部分がある。わたしの障害は見えにくい。わかりにくい。わかりにくいものを人間は恐れると考えている。怖がられるだけなら良い。拒絶する。排除する。それは困る。しかしたぶん、わかってしまえば単純だ。わたしを強制的に受け入れて欲しいと考えていない。なんの障害もない人だって、誰とでも仲良しなわけではない。とりあえず知ってほしい。正体不明の味がする食べ物だって、内容がわかれば食べやすくなるのである。(P50)
たにこ
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@chico75_11427
焦っても良いことはない、いまわからないことも、いつかはわかる。そのいつかにたどり着くまで、わからなくても、大切にしなければいけないことがある。それは人に対する敬意だそうだ。他人だけではない。自分にも敬意を持つ。自分も他人も大切にする。困ったことがたくさんあっても、自分を卑下しない。不貞腐れない。気高く生きるとも言える。誠実に他人と会話をする。これを教えてくれるのは家族だ。(P112〜113) わたしは発達障害であることを、喜んではいない。普通であったら良かったと、繰り返し思う。でも母は、わたしから発達障害をとったら、別の人間になると言う。そのようなあなたが我が子であると言う。正しいとも、そのままで良いとも言わないが、ただ好きだと言う。あなたはあなたのままで、うまくいかないところを調整しながら、ゆっくり成長してくださいと言う。それを聞いて、わたしは発達障害と共存する。飼い慣らすことを学ぶ。(中略)最終段階は、自分を理解して自己支援をすることだ。自己支援には、助けを求める方法の理解も含まれる。障害があってもなくても、助けを求める。追い込まれて、どうにもならなくなる前に求める。腐ってからでは、手間がかかる。(P180〜181) 逃げるのは、理想と違う自分を許すこと。 たぶん、そういう意味だ。(P216) 家族がいつも言っていることは、けんかしてもいいけど、敵にしないこと。誰もが良い心と、そうでない心を持っている。わざわざ相手の悪い気持ちを引き出しても、良いことはない。憎まない。ものごとの悪い面ばかり見ない。必ず良い面もある。泣いてもいいけど、立ち上がれ。(P220)
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