
socotsu
@shelf_soya
2026年1月23日
生類の思想
藤原辰史
読み終わった
生まれるとき人は感染する、という表現は理解できるしそうか、という納得はあるけどそこだけ抜き出して語るのはインパクトがありすぎるし、「世界に存在する」ことを「子宮から産道を押し広げて誕生した赤子のように」と表現するのにも、その前の無菌状態で育てるマウスの実験(産道を通ると菌に塗れるので帝王切開)の記述と併せて自然分娩賛美っぽくも読めて若干居心地が悪い、しかしこれは部分であって全体のトーンとしてそこまでべたっとしたいやな感触はない。
ハイデガーの建築論を読んでみたくなるし、ナチスとの距離の近さについて触れつつ「はぐくむ」という表現の用い方を論じる試みはスリリングだった。あと菌の事例としてパン職人の指の皮膚に棲んでいるスターターが登場してそうだった!とうれしくなった。『ネバー・ホーム・アローン』気になる。
「土の思想をめぐる考察」の農学者アルバート・ハワードの書籍から「湿度の低い脱人間中心的思考」を読み取ったり、「さつまいもと帝国日本」で石牟礼道子の文章における「からいも」描写、『食べごしらえ おままごと』の引用も好きだった。
読んだ人と話したいことが複数浮かぶ本。




