W7Ed "絵本戦争 禁書されるアメリカ..." 2026年1月23日

W7Ed
@4nTeG00N
2026年1月23日
絵本戦争 禁書されるアメリカの未来
「タンタンタンゴはパパふたり」が禁書扱いなのに驚いて買った本。途中までよんだ。 今まさに読むべき本。  語り口はごく柔らかく、用語も文章も難しくなく、とても読みやすい。  はじめにアメリカの差別と禁書の関わりや歴史が簡潔にまとめられている。黒人やマイノリティの人権意識への高まりは、数字にしてみると長い抑圧と差別の歴史の中ではごく最近だ。  絵本の評価を通してアメリカでどのように禁書論の展開がなされているか、どのような差別があり、何が問題なのか、子どもたちに何をどう伝えようとしているかが、現在進行形で語られている。  超保守による主張は、教育への影響を大義名分に様々な差別を正当化し、白人至上主義、選民意識で人々の分断をあおり、ひいてはトランプ支持と結びつき、白人という枠さえも超えて、差別主義ならどんなものでも呑み込み始めている。  問題の核は日本も同じだ。しかも、日本の子どもの絵本でそのような視点で語ろうとする絵本は少数だ。日本の絵本ではマイノリティの子どもはいないも同然と言えないだろうか。  今、日本では絵本は様々な年代へとその間口をひろげている。大人にも人気の絵本は、アーティストたちが詩や写真、絵などを用いた総合芸術である。それ自体は日本の豊かな感性の賜物だし、本当に素敵なのだ。  でも、絵本の広がりは言ってしまえばキラキラしたそれらだけでいいのだろうか?と、考えざるを得ない鋭さをこの本はもっている。  絵本は教育的であればいいものではもちろんない。ないのだけど、それでも私たちは、子どもたちに伝えるべきものを直視せず、考えようとせず、いるはずの人たちを無視していないか?上面の美しさだけを語ろうとしていないか、振り返らなければいけないのではないだろうか。    絵本はやっぱり子どもたちのものである。差別され、抑圧される人たちがいる。その中で育つ子どもたちがいる。その子達が希望をもてる絵本は、日本でも必要とされているのではないだろうか。  ちょっと読んだだけで色々考えた。深く心に響く本です。
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