𓇌𓅱𓇌 "冬虫夏草 (新潮文庫)" 2026年1月23日

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@dccxxiv___
2026年1月23日
冬虫夏草 (新潮文庫)
p.291 ---なに、それは生物一般に云えることではないでしょうか。そのときどき、生きる形状が変わっていくのは仕方がないこと。それはこういう閉ざされた村里に住む人びとでも同じことです。人は与えられた条件のなかで、自分の生を実現していくしかない。 私はすっかり感じ入った。 夏と冬とでは生きる形が違う、それはサナギタケ、冬虫夏草を彷彿とさせた。南川は、あれはただ、菌が昆虫の体を乗っ取っただけだ、というようなことをいっていたが、森羅万象、大きく見れば、そもそもはひとつのもの、周囲の条件によって、現れる特質、形状が違ってくるというように考えられるではないか。冬虫夏草はその象徴的なものとも思える。「同じ場所」を使っただけの話だ。とすれば河童がイワナのあとを継ぐくらい、如何程の不都合があり得よう。
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