なにわ "ペーター・カーメンツィント" 2026年1月22日

ペーター・カーメンツィント
p156 どうしてこんなに悲しく、生きていくことが下手なのか、その原因をいくら考えても答えは得られず、いつも疲労感ばかり覚えていた。やりとげたという達成感をいだいたことはついぞなく、常に暗い衝動に突き動かされていて、考えることと言えば、何か深みのある素晴らしいものを創り、なかなか思いどおりにはなってくれないこの人生からせめて一にぎりの幸福でもいいからもぎ取ってみたい、そういうことが叶うときがいつか自分にも来るはずだーーそんなことばかりだった。 ヘルマン・ヘッセのデビュー作 自然の中で育ったペーターが中年になって故郷に戻り、青春時代を振り返る話。ヘッセは自然の描写が本当に美しい。また、青春時代の思い出や恍惚感を書かせたらヘッセの右に出るものはいないのではないかとさえ思う。
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