
kasu.
@11uyksm
2026年1月25日
ホテルローヤル
桜木紫乃
読み終わった
文庫本
読書友と「感想を話し合おう!」を目的に読み始めたこちらの作品。
まるでホテルの歴史を見ている様な感覚になる。男女の生々しい心理表現や廃れていくホテルの事情など、創作とは思えないようなリアルさに読む手が止まらず一気読み。
〜北海道・釧路の湿原を背にするラブホテル「ホテルローヤル」。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く〜
📷シャッターチャンス
スーパーの事務で働く女性が彼氏の新たな趣味に付き合わされるお話。
新しい趣味がヌード写真を撮ること。挫折を語る男に同情して言葉のままに撮影。読み手にも伝わる美幸の複雑な気持ち。はっきりとは語られないけれど、妙にリアルなやりとりや最後の一節に女性側と男性側との温度差がはっきりと分かった。
⛩️本日開店
お寺の住職の女房と檀家さんは関係を持たないといけないお話。
時代なのか、檀家さんと関係を持たないと寺の存続が難しい。だからと言って住職の奥さんが身体を張ってそこまでする必要があるのかは謎。代が変わることで色々なことが変化していく。その変化が虚しい。
🏩エッチ屋
ホテルローヤルを営んでいた父親に代わりホテルを継いで経営していた娘と、大人の玩具を扱う会社に務める男の話。
前の2話よりも明るい雰囲気のお話に思えるけど、よく考えればラブホテルに生まれ育ち、衣食住もそこで過ごす異様さ。父親と似たような男の人に惹かれてしまうのかな…とも思えるお話。雅代に幸あれ。
🫧バブルバス
姑の新盆にお坊さんが来ず、浮いたお布施用のお金で夫をラブホテルに誘う妻のお話。
夫婦の生々しい生活と性事情。お金、子供、進学、仕事、介護、同居とリアリティ溢れる内容だった。妻の誘い文句がまたストレートでいいなと不覚にも思ってしまった…。そして夫。自分の両親の世話を嫁にさせる男には碌な奴居ないなと思った。妻は全てお見通し。
🧑🏫せんせぇ
家庭の事情に悩む教師と両親が行方知れずになった女子高生のお話。
前の話を読んでいくにつれてホテルが廃業になった原因の1つがこのお話で分かるのではないかと、楽しみにしていた。けど、読んでみて驚き。思っていたのと違った!そして女子高生の不潔感が妙にリアル。先生と女子高生のその後を詳しく知りたかったと思う反面、ラストの終わり方に少しの希望(救い)も見えたような気がした。
⭐️星を見ていた
ホテル清掃員のおばちゃんのお話。
子供が3人も居るのに、連絡があるのは次男だけ。寂しい話かと思ったけど、読み進めてみると周りの人々に恵まれ、働き者で、夫との仲も問題なく、貧しいながらも充実しているように思えた。とある事件を境に急におばちゃんの無関心さが気になった。ラストは夫も全てを知っているのかどうか気になった。切なさの中に夫の安心感が頼もしくもあった。
🎁ギフト
ホテルローヤルを営業する前のプロローグのようなお話。
このお話で全てが繋がって、完成される。「ホテルローヤル」の歴史を見せられているような感覚。
大吉父ちゃん、自由人すぎるよ…。今までのお話は薄くモヤがかかったようにどんより、ジメジメしているお話が多かったイメージに対して、このお話は希望があるような割と明るく前向きなお話だった。
🔚もしかしてこの小説、時間軸が逆行してる…?
各章に少しずつの繋がりがあるのもまた楽しめた。1〜100まで事細かに描かれている訳ではないのに、ひしひしと伝わってくるものがあった。




