トロ "終末のフール" 1900年1月1日

トロ
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@tontrochan
1900年1月1日
終末のフール
終末のフール
伊坂幸太郎
学生時代に初めて読んだ伊坂幸太郎作品。ただ、当時は最後まで読んでおらず、ここ最近Netflixでドラマ化すると知り、観る観ないは別にして久しぶりに読みたくなり、かなり久々に読み始め、読了したので備忘録として感想を書き留めていきたいと思います。 とは言え、オムニバスなので好きな話を一つだけ。私は籠城のビールが一番好きです。八年後に小惑星が地球に落下すると知らされ、どう生きていくかを題材にした八つのエピソード。最初の方に収録されているので余計記憶に刷り込まれているかもしれませんが、妹を自殺に追い込んだメディア・その中心にいたアナウンサーの家に兄弟二人が拳銃を持って押し入り、籠城する話。伊坂先生は追い詰められた人とそれを扇動、或いは直接原因を作った人の見えざる悪意を描写するのが本当に上手い。やるせない気持ちと、家族や兄弟であれば遮二無二復讐するだろう、それが当然だと言われれば確かにそうだと思わせる謎の説得力がありました。穏やかな食卓に反して殺気を纏う兄弟。でもその意図を知った時、二人と妹の間にあった台詞が、心を熱くさせます。時間がない、猶予がないからこそ、生きるとは何なのか、残された時間の有意を問われた気持ちになりました。お勧めです。
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