
トロ
@tontrochan
2025年11月27日
777 トリプルセブン
伊坂幸太郎
読み終わった
借りてきた
【マリアビートル】で大活躍した【天道虫】こと【七尾】君が主人公の殺し屋シリーズ第四弾です。ずっと読みたかったので図書館で借りた日は特に鼻息を荒くして読みました。相変わらず仕事を斡旋する【マリア】から簡単なお仕事だよ、と言われて仕事を請け負うのですが、やはり簡単に済ませて帰らせてもらえない七尾君。今度の舞台は東京の超高級ホテル。登場する殺し屋も、過去最多です。驚異的な記憶力を持つが故に殺し屋達に狙われることとなった【紙野】。彼女を狙う【乾】。その乾から紙野を殺さずに捕えろと命じられる"スイスイ人"である容姿端麗な六人組の殺し屋。過去に凄惨な事件で活躍し、世間から賞賛される政治家・【蓬長官】。爆弾を使う二人組の殺し屋【コーラ(高良】と【ソーダ(奏田)】。似たような境遇を持つ同じく二人組の殺し屋【モウフ】と【マクラ】。二人組の殺し屋は【マリアビートル】に出ていた【檸檬】と【蜜柑】を想起しました。伊坂先生は二人組の殺し屋が好きなんですかね!
アクションシーンも多く、表現も多彩で、とても興奮しました。新幹線に比べればできる事は多く、遮蔽物や階段、エレベーターや各個室の小道具を使って七尾君は戦っていく事になります。閉鎖的な空間で誰が敵で誰が味方か分からない。且つ、各パートは同時進行ではないので次のページでは誰かが倒れてしまっている状況はまさに、手に汗を握りました。マリアビートルを読んでいなくても楽しめると思いますが、七尾君の不幸体質がいかに本人の制御不能であるのか、いかに仕組まれたかのように連続するのかを知っていると、より楽しめると思います。
777とはつまり、ジャックポットです。それが揃うのはとてつもない【運】です。その運に支配されながらも、人は選択し続けなくてはいけない。七尾君は選んだ先から不幸に見舞われるのである意味対極なテーマかもしれません。でも、時には強い執念や、ひとつの信念を貫きさえすれば777は揃うのです。前作【AX】の兜にも通じる考えが、この本には詰まっていました。核心に触れてしまうのであまり書きませんが、今までの殺し屋シリーズに比べると一貫したテーマが物語の根底にあります。「リンゴはリンゴになればいい」という台詞があるんですが、この何気ない発言を最後まで覚えていると、伊坂先生ならではの驚きと感動を刻み込まれると思います。
