トロ "マイクロスパイ・アンサンブル" 2026年1月13日

トロ
トロ
@tontrochan
2026年1月13日
マイクロスパイ・アンサンブル
殺し屋シリーズを読み終えたので、原初に立ち返って短編集から伊坂先生の作品を読破していこうと思い手に取ったのがこちらでした。なんとなくタイトルの響きも気に入りました。登場人物は主に二人いて、周りから虐げられて、スパイに助けられ、スパイをしている少年と、就活中に彼女にフラれてしまった僕【松嶋】の7年に及ぶ人生が交錯し、リンクするお話です。戦闘シーンはありますが、めちゃくちゃ派手ということはない印象でした。とは言え伊坂ワールド全開なのは変わりません。期待してもいいと思います。 作中の人物は皆、時々歌を口ずさむ《合唱/アンサンブル》のですが、この歌にもちゃんと意味があります。あとがきを読むと、これは面白い構想だと感心しました。 《僕の大好きな あのヒトが しあわせだったら いいな》 という歌詞があるんですが、とても優しい気持ちになれました。知らない間に、意図せず、無意識に、今やってる事は、どこかの誰かの助けや救いになっている。人は意識して誰かを助けようとしなくても、実は色んな要因を得て助けられている。絶望する状況や、愕然とする事態に直面する事は人生でたくさんありますが、悲嘆せずに前を歩くお手伝いしてくれる。運命とすれ違いと、ささやかな救いが題材だと言えると思います。そう信じてもいいかな、そう信じたいな、と思える一冊です。
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