トロ "フーガはユーガ" 2026年1月22日

トロ
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@tontrochan
2026年1月22日
フーガはユーガ
フーガはユーガ
伊坂幸太郎
家に居場所が無く実の父親の虐待と暴力にさらされる双子──風我と優我。幼少期に一種の特殊能力に目覚め、それを使って二人で色んな難局に立ち向かっていきます。時には理不尽で凶暴な悪意の巣窟みたいな展開にぶち当たりますが、双子の絆と信頼でこれらの困難を踏破していきます。それも偏に、中学生時代にささくれのように心に引っかかっていたとある事件があるから。それが二人の正義感や人格形成に大きな影響を与えています。環境と分岐の残酷さが、これでもかと描写されていて、なんとなくやるせなくなります。かなり重たいテーマではありますね。生まれた場所と大人の都合が、いかに子どもの人生に影響を与え、狭めているのか、読者に投げかけているようでした。 風我と優我は双子なので、普段から登場人物同士のやり取りが軽妙でポップな印象が強い伊坂先生作品の中では群を抜いて面白かったです。とは言え、大人が子どもを虐げたり、危害を加えるシーンはそれなりに刺激が強いので、少し気分が悪くなるかもしれないです。心に余裕がある時に読んだ方が良いです。が、読むなら一気読みして欲しいです。このカタルシスはちょっとクセになります。 背表紙にも書いてあるんですが、"風我(Whoが)は優我(Youが)"というのは、物語の根幹を示す大切な意味合いがあります。これは、双子だから名前が似てるとか安直な帰結ではなく、伊坂先生ワールド炸裂なセンスだなと、読んだ後にじーんとしました。
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