
がんじ〜
@ganjiii
2026年1月28日
藍を継ぐ海
伊与原新
読み終わった
科学は小さな発見と記録の積み重ねだ。誰かが残した記録を参考にしながら、また別の誰かが新たな記録を加えていく。そうして積み重ねられた地層は、私たちの生活を人知れず支えていてくれる。
山口県見島、和歌山県東吉野村、長崎県長与町、北海道遠軽町、徳島県阿須町(この町だけはおそらく意図的に架空となっている)。いずれもこの本がなければ知ることもない、一見すると「何もない」ように思える場所にも、歴史はあり、人々の生活がある。
どの物語にも、ちょっとした悩みや不安を抱えながら真面目に生きる普通の人たちが現れる。そして彼ら彼女らが積み重ねられた歴史や科学に触れることで、ちょっとした変化が訪れる。その変化は、登場人物の悩みや不安(加えて日本の地方が抱えるさまざまな課題)を即座に解決するわけではないが、どこか前向きにそれらと向き合おうとさせてくれるようなものだ。

