
和月
@wanotsuki
2026年1月29日
読み終わった
全員好きになれなくて、でも全員少し自分と似ている部分がある気がして、読んでると具合が悪くなってくる面白さだった。
二谷、押尾、芦川。組み合わせが絶対に良くない人達であっても一緒に働かないといけないのが職場だよなあ、と思った。
二谷のぬるっとした曖昧さと底に潜む鬱屈とした性格も、押尾の真面目で融通がきかない苛烈な姿勢も、「善良でか弱い人」の前では歯が立たない。学生時代のヒエラルキーは社会人になるとこうも逆転するんだな、と考えさせられる。きっと彼等が学生だったらまた違った展開になったのではないか。
芦川の視点は含まれないので推測ではあるけど、彼女もきっとか弱い人であるが故に、自分が生き延びる術を抜け目なく選びとっている。それが読み手側としては透けて見えて全然好感が持てない。私だって残業できないのに翌日凝ったお菓子作って来られたら普通にイラッときてしまうと思う。食べるけど。
強いか弱いかで当然弱い方が勝つ、という作中の表現が刺さった。表面上は平和な現代日本だからこそ、最近は本当に、そういう風潮になりつつある。
モヤモヤした感情や多くの人が薄ら抱いてしまう悪意を細やかに赤裸々に言語化するのが上手すぎる。思わず読みながら呻きたくなる読み心地だった。





